彼は2、3歳の頃シスチン結晶という腎臓疾患があることがわかりました。
シスチン尿結石症とは、タンパク質を構成するアミノ酸の一種で腎臓で濾過した後に通常であれば体に吸収されるものなのですが、吸収されずに尿と一緒に排出されます。ただ、膀胱の中の結晶は尿より重いので膀胱内に溜まります。結晶が溜まり石になる。という病気です。また、オスに多いんだそう。
最初に気がついたのは、トイレシートに砂金のようなキラキラした砂が混じっていて「何だこれ?」という感じでした。
念の為、写真を獣医さんに見せて尿検査をしたところ「シスチン結晶」が出ていました。
レントゲン、エコーでさらに検査をした所、膀胱内に結石が無数に溜まっていることがわかり直ぐ投薬治療が始まりました。
シスチン結晶(結石)は遺伝疾患だそうです。先天性ということは、生まれてからずっと結晶がで続けていて石が溜まり続けていたということなのか、成犬になってから発症するとも言われていて彼の場合は不明ですが、下の写真の様にこれだけの石が膀胱内に溜まっていたところを見ると、だいぶ前から発症していたのは間違いなさそうです。
実際のレントゲン写真(苦手な方、ごめんなさい)
これだけ溜まらないと気が付かない物なのか、私たちが気付かなかっただけなのか・・・
投薬治療でとにかく石を溶かして小さくし、膀胱から排出させるという治療を継続しました。
薬は「チオラ」という薬を使用しています。
このお薬は、人間の尿結石症にも使用されている薬で、実は今現在物流の影響で薬が入って来なくなりました。
彼のお薬ももう残り1ヶ月分くらいしか確保できていません。
今は通常服用している半分の量に減薬して、結晶が出るかを確認しながら過ごしています。
人間の患者さんも大変だと思います。一生飲まなければいけない薬なので薬が製造されなければ人も動物も命に関わります。
投薬を続けて石が小さくなると尿と一緒に排出され始めます。
トイレシートに小さな石がコロンと落ちていて、見つけては拾い保管する日々。毎日トイレの周りで宝探しをしているかのよう(笑)
そして事件が起きます・・・
拾った石を獣医さんに提出し定期的にレントゲンで膀胱内に残っている石の大きさ、個数を確認するのですが
病院で「大きめな石が小さくなってギリギリ尿道を通るくらいになったら、尿道に詰まる可能性もあり詰まった際は腎不全になりかねないので気をつけてね」と説明を受けた日の夕方、元気に遊んでいた彼が段々と大人しくなり遂にはパンティングしながらうずくまってしまいました。
もう直感で「詰まった!」と気が付きました。むしろ言われたその日で良かったと思ったくらいですし、仕事が休みで本当に良かった。
直ぐに獣医さんに連絡し、もう時間外である事・病院が隣の県という事で近くの夜間救急病院で処置した方が早いということになりました。
夜間救急の診察開始まで少し時間があるのですが、どんどん弱っている様に見えて不安だったのでとにかく先に病院まで行って車の中で開くのを待っていました。
その時すでに呼んでも反応する元気も無く浅く早いパンティングを繰り返すだけで、ダメなんじゃないかって本気で思いました。
その後、カテーテルで処置していただき、何とか間に合ってくれて彼は生還したのですが、出てきた石がかなり大きかったのでビックリしました。
シスチン結石は、他の結石と違い表面が滑らかで丸い形なので尿道を傷つけることなく処置できたのは幸いでした。
ちなみに、夜間救急の治療費についてですが
- 初診・問診料10,000円
- 検査代(多項目)約10,000円
- 処置代(カテーテル)20,000円
- 合計 約40,000円(税別)
だったかと思います。我が家は「アニコム損害保険」(50%)ワイドに入っているのですが、その日の午前中にかかりつけを受診しているのでどちらかしか請求出来ません。しかも救急はオペではないので上限1万円しか保証されないってね。トホホ
医療保険に入った当時は、アニコムが独占していたので選択肢はなかったのですが、現在は保険会社も沢山ありますのでもっと割安な保険がありますよ!そのうち保険料についてもまとめようと思います。
話を戻してカテーテルで処置していただいた後、何事も無かったように元気になりました。あんな石一つで生死を彷徨うなんて。
結石治療をされている飼い主さんは、日頃からオシッコの回数・量・出具合(勢い良く出ているか)など、観察する癖を付けておいた方が良いかと思います。詰まったら時間勝負ですので。本当に怖かったです・・・二度と経験したくないと思いました(汗)
投薬を続けて、膀胱内の結石は全てなくなりましたが、治るわけではないので投薬は一生続けることになります。
なるべく少量にするため、尿検査と薬の量を調整しながらベストな量を探していただき朝晩のご飯と一緒に服用しています。
薬は飲んでいても、季節によって水分摂取量が変わりますので定期的に尿検査もしています。
フード選び
ご飯に関しては、「ヒルズ プリスクリプション・ダイエット(特別療法食)u/d ユーディー ドライ」を与えています。もちろん獣医さんの指導の元、動物病院で購入しています。
尿結石専用の療法食で、今のところこれしか食べられるものがありません。
炭水化物が多いフードなので、太りやすく日頃の体重管理が必要になります。
フードの量が少ないので、飼い主の食べ物やおやつなどを欲しがったりしますが、タンパク質が含まれる物はあげられませんし体重管理をしているのでおやつも与えることが出来ません。
可哀想とよく言われますが、彼を守るためでもあるので・・・食に意識がいかないように飼い主の食事中はお気に入りのおもちゃで遊ばせたり、他のことに集中させるようにしています。
水分摂取が大切
結晶が出来、膀胱内に溜めないように水分はたくさん飲ませるように気をつけています。
夏は比較的率先して飲んでくれるのですが、冬などの涼しい時期は留守番中(10時間程)も全く水を飲まない事があります。水分量が少ないと尿が濃くなってしまいますので水の他に氷もおやつ代わりに与えています。
毎日のトイレの様子を観察
キラキラとした砂状の結晶が出ていないか、尿の出方は勢いよく出ているか(チョロチョロ出ている場合は詰まっている可能性も0ではありません)何度もトイレに行っていないか(頻尿)など、毎日トイレシートやオシッコをする時は確認するようにしています。
彼は現在10歳、薬を服用し始めてもう8年くらい経ちます。
年一回、血液検査をしているのですがコレステロールが高い(フードの影響なので今の所問題なし)くらいで、腎臓や肝臓などの数値は全く問題ありません。
こんなに何年も薬を飲み続けなければいけないのなら、もしかして短命になってしまうのかと不安だったのですが目標の10歳を元気に超えてくれたのでこれからもゆっくり時を重ねてもらいたいと願っています。
あとは本当に1日でも早く薬をはじめ全ての物流が戻ってくれることを祈っています。
参考になるかわかりませんが、少しでも同じ病気で苦しんでいるワンちゃんと飼い主さんのお役に立てたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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