難聴の子にコマンドは入れられないと思われがちですが、最低限のコマンドはジェスチャーで入れることが出来ると思います。
彼女に教えたのは、「おいで」「お座り」「お手・おかわり」「待て」「よし」「伏せ」「ダメ」の7種類ほどです。
コマンドを入れる基本は健常の子とそんなに変わりはないのかなぁ?と思います。なぜなら、コマンドを入れたのは聞こえていないと気がつく前だったから!笑
今思い出せば確かに時間もかかりましたし苦労していた記憶が・・・笑
特に「お手・おかわり」が大変だった気がします。今考えたら、「お手・おかわり」って必要か?と思いますが。笑
コマンドがなかなか入らない子は、本当に必要最低限で良いのでは?と思います。
「おいで」「お座り」「待て」「ダメ」くらいで十分なんじゃないかなぁ?と。
お座りは、興奮してしまった時に一度リセットさせるために必要だと思いました。
コマンドを入れることより、一番大事なのは「いつでも目を合わせられるか」だと思います。
指示をするのも先ずは目を合わさないことには何も始まりません。
コマンドを入れる前に、まず「目を合わせる」練習をお勧めしたいです。
この練習方法は、あくまで彼女の場合ですので成功するかは保証できません。参考程度にしていただけたらと思います。わかりにくい説明で申し訳ないですが・・・
目を合わせる練習
①先ずは愛犬と目を合わせる癖をつける。(飼い主さんを見ると良いことが起きると覚えさせます)
至近距離でも離れていても良いので静止した状態で愛犬に視線を向けます。
愛犬が気がついたら褒めたりご褒美をあげます。
②「愛犬と目が合う→良い事がある」一連の流れとしてゲーム化し、一日数回練習してみる。
③慣れてきたら、目が合った時に愛犬が行動を止めて静止したら褒めるに変化させる。(注目させる練習)
これが習慣化出来ると、愛犬の方から飼い主さんを見る様になると思います。
さらに我が家の場合は、目が合ったら両目でゆっくり瞬きをする事を繰り返して、偶然彼女が瞬きをしたタイミングで褒めるを繰り返し練習したところ、彼女の方からも瞬きアイコンタクトをしてくれるようになりました。
ゆっくり瞬きをする行動は、猫さんにある行動で挨拶やお返事、愛情表現をする際にゆっくり瞬きをして見せるのだそうです。
彼女と私の中のコミュニケーションも同じような意味合いで瞬きを使っています。
夜寝る際に彼女が落ち着かない時、瞬きをして見せると彼女も瞬きを返してくれてベッドに入ってくれます。
興奮しそうな時(何か振動を感じて緊張した時など彼女は私を見るので)も瞬きをして落ち着かせる事があります。
瞬き自体に特別意味は持たないけど、何でしょうね・・・絆の様な物を感じているのかもしれません。
私も彼女が瞬きでアイコンタクトをしてくれた時はすごく心が落ち着くんです。
ちなみにアイコンタクトの練習をし始めたのは、難聴ということが判明してからです。
なのでコマンドの練習をしていたのは本当にパピーの頃になります。
幼少期だったからこそ覚えてくれたのかもしれません。
「お座り」の練習
①おやつを持って愛犬の正面に立ち(座り)ます。おやつは人差し指だけ立てて持ちます。(下画像)
②おやつを愛犬の鼻先に近づけて(食べられないように)犬がおやつに集中したら、おやつを持った手をゆっくり愛犬の頭の上から愛犬の後ろに移動させます。
③愛犬がおやつつられて上を向くと、自然にお座りしますので2秒ほど静止出来たらおやつをあげます。
④これを繰り返して練習します。慣れてきたら、おやつを手に持って愛犬の目をジーッと見ます。手を動かさずに正面でジャスチャーするだけでお座り出来たらおやつをあげます。出来ない場合は目を見ながら手を愛犬の頭の方に移動させてお座りさせます。
繰り返し練習するとおやつがなくてもジェスチャーだけでお座りが出来る様になると思います。
「おいで」の練習
①正面からアイコンタクトを取ります。それから愛犬の視線の高さで手を数回叩きます。ポイントは飼い主さんが楽しそう・嬉しそうな表情をする事です。
②愛犬が自分の所に来たら沢山褒めます。最初はおやつをあげてもいいと思います。
③慣れてきたら正面からだけではなく、色々なシチュエーションで練習します。
目が合ったら「おいで」をします。どんな状況でも目が合えば呼ぶことが出来る様になります。
「待て」の練習
①「お座り」をさせた状態から、人差し指のジェスチャーを今度は手のひらを愛犬に見せるジェスチャーに変えます。
②数秒でも静止出来ればご褒美をあげます。
③静止できる時間を徐々に伸ばします。静止させている間は、ジェスチャーと飼い主さんの視線を忘れずに。
④慣れてきたら手をゆっくり下ろしてみてください。愛犬が動きそうならまたジェスチャーで止めます。(そのままだよという事を教えます)
⑤静止が出来る様になったら今度は「待て」をしたまま愛犬から少しずつ離れます。ジェスチャーはしたままです。
⑥待っていられたら「おいで」の合図で呼び寄せます。自分の所まで愛犬が来てくれたらご褒美か沢山褒めてあげてください。
ポイントは、愛犬の集中力を切らさないように目を合わせたままやり切るという事です。最後の「おいで」以外は真剣な表情でやってみてください。最後は笑顔で「おいで」です!
「伏せ」の練習
①「お座り」をさせます。手にはおやつを持っていてください。
②おすわりの状態から、指先を愛犬の鼻先に近づけたままゆっくり床に移動させます。
③愛犬が指先に先導されて上体を低くさせますので愛犬が伏せをしやすいように床に近づけながら手前に引いていきます。
④愛犬がそのまま伏せをしたら伏せのままおやつをあげてください。
⑤これを何度も練習します。徐々に指先のジェスチャーだけで伏せをするようになります。最終的にはお座りから指で床を指すだけで伏せ出来るようになります。
「ダメ」の練習
注意:練習するのは、何かいけないことをした時またはしそうな時だけです。
①愛犬に直接当たらないように愛犬の目線の高さで拳(グー)を上げます。
②愛犬がビックリして止めたら拳を下ろします。
③ご褒美は与えません。何故なら、ここでご褒美をあげてしまうと悪いことをすれば褒めてもらえる(おやつがもらえる)と覚えてしまいます。
ポイントは、飼い主さんの表情と拳をビシッと示す事です。
笑ってはいけません。最大限怖い顔をして下さいね。
最後に「お手・おかわり」
必要なのかどうかわかりません。我が家はご飯の時にやっているのですが、要らんかな?と思います。でも、彼女はすでにルーティーン化してしまっているので指示しなくても勝手にやるので好きにさせています。笑
「練習方法」
①飼い主さんの正面で「お座り」をさせます。
②愛犬に見せながらおやつを手の中に入れて握り、お手をする位置に持っていきます。最初は鼻で匂いを嗅いだり、舐めたりすると思いますが払います。
③そのうち愛犬が前脚を使って手をこじ開ける仕草をします。前脚を手や腕に乗せたら握っている手を開いておやつを上げます。
④これの繰り返しです。だんだんと「前脚を乗せる→もらえる」がわかるようになりますので、今度はおやつを持たずに飼い主さんの手のひらを出して愛犬が前脚を乗せてくれるように何度か練習します。
コマンドの中でも「お手・おかわり」が一番集中が途切れるような気がします。
愛犬が飽きてしまったらしつこく練習をさせないで時間を空けてまた練習しましょう。
ご飯やおやつをあげる際に「お座り→お手・おかわり→もらえる」を繰り返せば自然に覚えていくと思います。
我が家は、お手の前に彼女の胸をポンを触ります。それがお手の合図になっているのでおやつを持っていなくても胸をポンと触ればお手をしてくれるようになりました。
コマンドの入れ方は愛犬の性格によって様々だと思いますので工夫が必要かなと思います。
ちなみに難聴犬の場合、「おいで」と「呼び戻し」は外の環境では一緒にしない方が安全です。おいでが出来るからといって初めましてのワンちゃんといきなりフリーで遊ばせたり、ノーリードで広場をお散歩したりなど、かなり危険だと思います。
例えばドッグランなどは貸切以外は入らないようにしています。他の犬に危害を加えてしまうのではないかとう問題とその逆もあり得ますし、そもそも呼び戻しが出来ないのにフリーするべきではないと思っているので他のワンちゃんがいる時はリードを付けたまま側にいるようにしています。
その代わり自宅は基本的にフリーでどの部屋にも自由に行き来できるようにしています。彼女は元々悪戯をする方ではないのですが、徘徊するように家中を見廻る癖があるので念の為床に物は置かず私の目の届かない時でも自由に歩き回れるように気をつけています。
以前、お散歩中にいきなり彼女が走り出してリードが手から外れてしまい、タクシーに轢かれそうになった事があります。幸いタクシーの運転手さんが気が付いてくれて急停止してくださいましたが。彼女はリードで繋がっていると思って走っているので後ろなんて振り返るはずもありません。この状況では「おいで」すら出来ないんです。
10年経った今でも、彼女のリードは強く握ってしまいます。笑
それから、実家に遊びに行った際に車に荷物を取りに行っただけなのに、後追いして玄関を飛び出してしまい父が裸足で追いかけた経験も。
実家の側には4車線の大道路があり、あと10mの所で捕まえる事ができました。今思い出しただけでも心がザワつきます。
だから彼女には常に迷子札を付けていますし、外では本当に気を使います。この2つの経験は時々夢に出てきます(トラウマw)
穏やかな子ならここまで神経質になる必要はないのですが、彼女は活発過ぎるので舵取りが大変なのです。
我が家と同じく、難聴で活発な性格の子の飼い主さんはどう対応されているのか気になりますが、ネットで検索してもそこまで多くないというか健常の子とそんなに変わりなく生活されている方が殆どなのかなぁ?と感じます。
多頭飼いではなく、一頭だけで飼われているお家はさらにそうなのかもしれません。
このブログが彼女のような活発で神経質な子のお役に少しでもなれたら・・・と思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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