犬の食物アレルギー症状や治療について。12年の経緯とフードやおやつ、気をつけていることをまとめてみました。

■よもぎ-疾患と通院記録

こんにちは、今日は蓬(以下彼女)の食物アレルギーの歴史を書いていこうと思います。

アレルギーの発症から病院での診断まで

彼女は、ブリーダーさんから迎えた子で、特に疾患などのある両親から生まれたわけではりませんでした。

母親はクリーム、父親はブリンドルと言う一般的な交配です。

生後3ヶ月の頃。

我が家に迎えて、初めはブリーダーさんのところであげていたフード(忘れてしまいましたが)を1週間ほど与え、そこから自分でフードを探して与えていたのですが、最初にあげていたフード・・・なんだっけ?笑

なんせ12年も前の話でして。ですが、彼女が避妊手術を7ヶ月弱でしてから少しづつ気になる事が出てきたのは覚えています。

皮膚にボツボツが出始める

当時、膿皮症だったのかはわかりませんが、身体中にボツボツと発疹が出来ては消えを繰り返していました。

病院に連れて行っても食物アレルギーなんて言葉は全く出て来ず、「フレンチは皮膚弱いですからね〜」なんてサラッとスルーされてしまい、お薬(痒み止め)を処方されるだけで、根本的な原因を探せる状況ではありませんでした。

何せ犬を飼うことが初めてだった私は、何を病院で相談するものなのか、それは自分で何とかしなければならないのか何もわからなかったので、ネットで情報を集めひたすら試すと言うことを繰り返していて、フードやシャンプーを毎月変えてもう何が何だかわからないといった感じでした。

今考えれば、病院を変えるとか単純に他の方法があったのに当時はもうネットの情報に振り回されてしまい疲れ果てていました。笑

食後に姿を消す

フードジプシーになっている頃から、彼女が食後1時間前後で姿を消すようになりました。

洗面所、廊下の隅など、誰も来ないような所で過ごす様に。

最初はその場所が好きなのかと思い、気にもしなかったのですが、良く観察してみると小刻みに震えていることがわかりました。

何故震えているのかなど全く思い当たる節がなく、かといって食後毎回そうなるかと言えばそうでもなく、食事=震えにつながらなかったんですね。

なんせ、犬を迎えたのが初めてで相談できる相手も限られていて、病院ではスルーされてしまい、彼女もきっと辛かったと思いますが、私も精神的に辛かったです。

その頃には手作り食に行き着いていたのですが、彼女は食べたり食べなかったりを繰り返していました。震えることもまだ続いていました。

今当時の事を思い出すと、彼女は「お腹が空いているけど食べると具合が悪くなる(震える)」とわかっていた様に思います。食べ盛りの月齢で「食べない」を選択するなんて余程のことです。

その後、年末年始を迎え実家で正月を過ごしていた時、彼女が突然嘔吐し始めました。吐いて吐いて血が滲むくらいでこれは普通ではないと急いで病院を受診。

エコーやレントゲン、おそらく血液検査もしてくれたと思いますが、結果は「異常なし」獣医さん曰く「んー胃腸炎ですかねぇ?お薬出しておきますね。」で終わってしまいました。

ちなみに、保定がトラウマになったのはこの時です。検査が終わって出てきた彼女は眼球が飛び出そうなほど興奮してチアノーゼが出ていました。口の所にテープを貼られた跡があったのできっと暴れて鎮静剤か麻酔をされたんだと。仕方ないですが・・・

当時、YAHOO!ブログで日記を書いていた私は、正月に起こった出来事を綴りました。(当時、コメントで心配をしてくださった方々に本当に感謝しています)

コメントをくださった中に、うちの子も似た症状で通院していると言う方がいて、その子は「食物アレルギー」だったそう。

それもかなり重度のケースだった様でした。その方の紹介で今の獣医さんに転医することに。

隣の県でしたが、通えない距離ではない事、日に日に具合が悪くなる彼女をなんとかしてあげたい一心で迷うことはありませんでした。

転医先の病院で先ず言われたのが「食物アレルギー」

転医先の病院は、小さな個人経営の動物病院。

ご夫婦で獣医さんをされていてお二人でお仕事をしています。

紹介してくれたお友達からは、初診は今までの経緯を全部聞かれるからノートにまとめておいた方がいいよ!と言われていたので、何をどのくらい何ヶ月食べさせたか、シャンプーの頻度、メーカーなど、おやつ、おもちゃ、寝具、等など思い出せることを全てノートにまとめ病院に向かいました。

問診は確か2時間以上かかったのではないでしょうか?

先生がお迎えしてから今日までのことを、もう事細かくメモに書いていきます。

そして、食物アレルギーの可能性が非常に高いこと、この子は皮膚だけではなく内臓に炎症を起こす子なのではないかと説明を受けました。

その時、一番頭に残っている言葉は、このまま放っておいたらあと何年も生きられなかったかもしれない。と言われたこと。

彼女は、毎日私からアレルギー物質の入ったご飯を食べさせられて耐えていたのです。

食べなければお腹が空く、でも食べるとお腹が痛い。それを毎日繰り返していたのです。

ただただ、彼女に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

食物アレルギーを持った子は、元々持ったアレルギー物質(食べ物)ではなくても、同じ材料や原料を食べさせ続けることで新たにアレルギーとして反応するようになる場合があるそうです。

先生からは、色々なフードを試して食べさせることで、元々反応しなかった材料まで反応するようになったのではないか?安易に素人がフードを変えてその子を苦しめることもあるんです。ときつく言われました。

そうです。私が今まで良かれと思ってしてきたことは、彼女にとって逆効果で、彼女を傷つけ続けていたのと同じだったのです。

その日から、彼女に合う食物アレルギー用の療法食を先生と探し始めました。

何個かあるメーカーさんから、今まで食べていたフードの成分を一つずつ調べてその成分が入っていない療法食を一定期間与え症状が出るのかなどを見ます。

フードが決まるまでは長期戦で、1週間〜2週間毎に通院し皮膚の状態や行動・症状などを報告していくという日々が続きました。

実際、症状が落ち着いてフードが決まるまで、半年〜1年くらいかかったのではないかと思います。

療法食に変えて、先ず劇的な変化があったのは食後震えたり姿を消したりしなくなった事。

何より、彼女がご飯の時に喜んで食べてくれる事。このご飯はお腹が痛くならないとわかったのだと感じました。毎食それはもうご飯の時間が楽しみで興奮するようになったくらいです。

「食べたくても食べれない」そんな状況にさせてしまったせいで、彼女はご飯に異常な執着をする様になりました。

下の子を迎えた頃から、ご飯の時間になると下の子を襲撃するようになり、それは今でも変わりません。

本気で襲うのでご飯の時間が近づくと前もってハウスさせないと危険です。彼女は耳が聞こえないのでとっさに言葉でダメ!と言っても無駄です。気がついた時には弟に噛み付いています。。。

話がそれましたが、フードが決まってからは徐々に症状も落ち着き、皮膚の状態も少しづつ改善していきました。

彼女に出来ていたボツボツの正体は、膿皮症でアレルギーからだけではなく、湿気などからもできるのだそう。(膿皮症については別記事にまとめてありますので良かったらご覧ください。犬の膿皮症の季節

2歳弱の頃に今の病院に転医して、確か4歳前後から皮膚もほとんど正常で体重も増え、本当にアレルギーだったのか?と思うくらい元気に。

上の写真は7歳の頃で、本当に調子が良かった頃です。写真からは膿皮症もアレルギーも想像つかないですよね。

今でも毎年血液検査は行っているのですが、今のところ何も問題なく12歳を迎えました。

食物アレルギーの経緯はこんな感じです。次に療法食についてやアレルギーとの付き合い方、普段の生活で気をつけていることなど詳しく書いていこうと思います。

療法食やおやつについて

療法食とは、健康上の問題(疾患など)があると診断された犬の健康維持をサポートするご飯になります。

うちの子の場合、コストの掛からないフードで、皮膚疾患や消化器のサポートをしてくれるロイヤルカナンの「セレクトスキンケア」から試して

皮膚の改善が良くなかったり、アレルギー症状が全く出なくなったわけではなかったので、同メーカーの「スキンケア 小型犬用」を更に試して

皮膚の状態や胃腸の調子が落ち着いたのでこのフードを食べる様になりました。

療法食は、ホームセンターや大型ペットショップでも販売していますが、基本的に獣医さんの診断と推奨がないと買うことができません。

動物病院で購入するのがベストですが、たまたま切らしてしまい病院に間に合わないなどの理由なら量販店で買うのも有りだと思います。

ただ、獣医さんの診断なしに飼い主さんの独断で療法食を与えるのはやめた方が良いと思います。

合うか合わないか分からない上に、療法食の内容(知識など)も分からない状態で試すのは結果的に遠回りなのではないかと思います。

私のように、フードジプシーになって愛犬を余計苦しませることになりかねないからです。

療法食と手作り食

一部、療法食(ドライフード全般)の添加物などが身体に悪いなどの理由で手作り食オンリーで飼育されている方もいらっしゃいますが、皮膚などの調子が良ければそれでも問題ないと思いますが、何かしら皮膚に異常がある場合(例えば、膿皮症が出る・肉球や指の間のかぶれなど)大したことない、この犬種はあるあるなどと軽視せず、食事の見直しをされるのもいいのではないかと思います。フレンチブルによくある膿皮症やかぶれなどは生活環境によっても出ますが、やはり食事も原因の一つなのではないかと思うからです。

手作り食は愛犬にとっても飽きずに美味しく食べれるご飯ですが、毎食栄養素を計算してバランスの良いご飯を作るのが大変だと思います。

それに、知らず知らずのうちにアレルギー物質を与えている可能性も。ゼロではありません。

むしろ添加物の入った療法食より危険になります。

これは転医した動物病院で実際に私が指摘された事です。

療法食は、アレルギーなどの疾患別にバランス良く健康を維持しながら与えることのできるご飯です。

実際、うちの子は2歳になる前から療法食を約10年食べていますが、未だに血液検査はどこも悪くありません。

彼女は食物アレルギーなので、療法食以外の食べ物は与えていません。ジャーキーなどのおやつも一切あげられません。

ですが、それが逆に彼女の身体を健康でいさせてくれたのだと今は感じています。

人間も同じです。茶色くて美味しい物や、お菓子ばかり食べている人は成人病になる確率が高いですよね。

人間も動物も、食事のバランス一つで5年後、10年後の健康状態が左右します。

なら、やはり不安定な手作り食より療法食の方が健康を維持できるのではと思いました。

手作り食全般が悪いと言うわけではありません。私自身もフードジプシーになっていた時、手作り食にしていた時期もあります。

でも、結果それが彼女のアレルギーを更に酷くさせていたことも事実です。

疾患がない子の手作り食は愛犬にとっても飼い主さんにとってもハッピーな事だと思いますが、アレルギー体質やその他の疾患がある子たちにとっては、療法食とは命を繋ぐ大切なご飯だと私は感じました。なので、療法食(ドライフード全般)の重要性というものをもっと沢山のオーナーさんに知ってもらいたいと思いました。

厳しい事を書いてしまいましたが、実際私が病院で言われた事でもあり、実際はもっと厳しく言われました(笑)当時は、大人が大人にこんなに厳しく言われるって・・・とかなりへこみましたが、今思えば、それだけ命に関わることでシビアにならなければならないという事だったんだと感じます。

日頃、気をつけていること

まず、アレルギーを持った子の生活環境の見直しが大切だと思います。

私は食物アレルギーとわかってから、彼女が触れる物全ての素材を確認しました。(病院からの指導です)

犬が触るものは基本的に布はコットン100%の物が安全です。

おもちゃ、ベッド、洋服、タオルなど布製品は意外と沢山ありました。

見落としがちなのは、首輪(カラー)とハーネスです。こちらもコットン製の物を探して使用していました。うちの子の場合、革製の首輪は皮膚が荒れてしまったことがあります。

写真のハーネスは「B-DESIGN」さんのハーネスです。当時はコットン製のハーネスで可愛い物があまりなく、ネットでひたすら検索してこちらのお店で購入したのですが、現在は丈夫なポリエステル素材になっている様です。

ハーネスに関しては、コットン製でなくてもアレルギー症状や皮膚に炎症が起きない事がわかりましたので現在はコットン以外のポリエステル製品などを使用しています。(革製品は未だに怪しいので使っていません)

おもちゃに関しては、ラテックスなどの素材で反応する子もいるみたいなので、素材は購入する際に確認した方がいいと思います。歯磨きガムに関しては、獣医さんが推奨する物でしたら大丈夫だと思いますが、広告を信用せずかかりつけの獣医さんに直接確認してから与えたほうが無難です。味によってはアレルギー反応が出る場合も。

あとは、住居に使う洗剤(床のワックスや洗浄剤など)や、洗濯洗剤(犬の服やベッド、タオルなど)などに反応する場合も。

我が家では、基本床掃除は掃除機と水拭きのみにしています。床材はクッションフロアでワックスを掛けなくてもそこまで滑るというわけではないのでそのままにしています。

食器類も重度のアレルギーの子は気をつけた方が良いと獣医さんがおっしゃっていました。一番安全なのは陶器とステンレスで、プラスチック製品はやめた方が良いとのことです。

彼女のケージの中の給水も、ペットボトルで吊り下げるタイプは使わず、陶器のお皿を置いています。

シャンプーについては別記事(犬の膿皮症の季節)で書いておりますので良かったらご覧ください。

一番大変なのは、人間の食べカス

ダイニングテーブルなどの下には、人間の食べ物が沢山落ちています。犬は、わずかな匂いでも探し当てます。

目に見えないくらいの食べカスも探し当て、掃除をするかの様に食べます。笑

大人はある程度気をつけることができますが、小さなお子様のいるご家庭は気をつけなくてはいけません。

一番良い方法は、人間の食事中はケージで待機させる事。

そして、食事が終わったらダイニング周りを掃除(点検)してから犬をフリーにするのがおすすめです。

面倒ですが、愛犬を守るために必要なんだと思います。

我が家のnicoge達は、フード以外は食べられないと理解しているので食事中は隣に座らせています。でも、最初は拾い食いもしていたのでケージで待機させていましたが、歳と共に落ちつてくれたので助かりました。

拾い食いと同じく、ゴミも気をつけなくてはいけません。

生ゴミは、ゴミ袋のまま置いておくと危険です。これは下の子がやりました。飼い主がお風呂に入っている隙にゴミ袋を漁り、ヨーグルトの空きを舐めていました(笑)下の子はまだアレルギーはないので良かったのですが、それ以来背の高い頑丈なゴミ箱にいれる様に。

プラスチックのゴミ箱だと、匂いうつりして犬も気になりますのでステンレスなどの素材で蓋付きゴミ箱がおすすめです。

キッチンのゴミ箱は、「コストコのセンサー付きゴミ箱」を使っています。これなら蓋も届かないし、匂いも漏れなくて犬達は反応しません。

毎日のチェックも忘れずに

愛犬の身体のチェックも忘れずに行うと良いと思います。

特に、膿皮症になりやすい子は、身体のどの部分に出やすいのかなどノートにまとめておくと病院に行った際に説明がしやすいです。

毎日身体をチェックして、瘡蓋ができていないか、瘡蓋が剥がれている箇所はないか、出来ていたら治り具合はどうかなどを観察・触って確認しています。

膿皮症を発見した時は、大体瘡蓋がすでに壊れてリング状に皮が剥けている場合が多いのですが、毎日チェックすることで発見も早くなり、治療も早くから始めることができますので完治までが早くなりますし、ぶり返す確率も下げられます。

コミュニケーション(遊びながらなど)を取りながら全身触ってあげられれば、ワンちゃんも喜びますし、全身を触られる事に慣れてくれると思いますのでおすすめです。

正直大変だけど・・・

2歳弱で食物アレルギーが判明して、10年この生活をしてきて本当に大変でした。自分より彼女のお世話の方が大変過ぎて沢山犠牲にしてきたこともあります。

でも、皮膚が痒かったりの症状が出ている時は、やっぱり彼女もイライラしたり、見ていて可哀想で。なんとかしてあげたい一心で頑張ってきた気がします。

現在彼女は、12歳で、最近歳のせいか腸内環境のバランスを崩して善玉菌のサプリメントなどを飲んで治療しています。

腸内環境が崩れているせいなのか、数年ぶりに酷い膿皮症になっていて、現在はそちらも治療中です。

抗生剤を飲んでしまえば、症状は落ち着くのですが、腸の中で増やしている善玉菌も一緒にたたいてしまうので抗生剤は使わずに、シャンプーなどで経過を見ています。

膿皮症は繰り返す病気なので、飼い主さんは本当に苦労しますよね・・・抜け毛も多いですし。

この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。また思い出したら追記していこうと思います。

私も改めてnicoge達の笑顔のために、お世話を頑張ろうと思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました〜☆

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